こんにちは!カマダキです。
皆さんは、「再エネ賦課金」というものはご存じですか?
これは電力会社から毎月届く検針票に必ず記載され、私たちが請求されている費用です。
今回はその「再エネ賦課金」について解説していきます。
目次
再エネ賦課金とは
再エネ賦課金とは「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の略称です。
電力会社が再生可能エネルギーで発電した電気を買い取るための費用を、すべての電気の使用者が負担する制度です。
なぜこのような制度になっているかというと、国が再生可能エネルギーの普及を目的に「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT 法)」を2012年に定め、
太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの再生エネルギーを用いて発電された電気を、電力会社が一定価格で買い取ることを義務付けたからです。
これにより電力会社が電気を買い取るために膨大な費用が必要になるので、「再エネ賦課金」の制度を設けてその費用を国民が全員で負担することになったのです。
2021年の再エネ賦課金は?
再エネ賦課金の単価は年間の再生可能エネルギーの導入量を推測した上で、毎年度金額が調整されます。
2021年度の再エネ賦課金は3.36円/kWhとなっています。使用した電気1kwhにつき3.36円を上乗せして電気料金が請求されます。
例えば標準的な3人家族の一か月あたりの電気使用量(370kWh/月)で計算すると、
370kWh × 3.36円 = 1,243円
一か月につき1,243円の再エネ賦課金を負担することになります。一年間では合計で14,918円の負担額になってしまいます。
全国の各家庭では、電気の買い取り費用を負担するためにこれだけの金額を支払っているのが現状です。
再エネ賦課金の過去の推移と今後の予想
2012年から始まった再エネ賦課金の金額は下記表の通りです。
年度 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
再エネ賦課金単価 | 0.22円/kWh | 0.35円/kWh | 0.75円/kWh | 1.58円/kWh | 2.25円/kWh | 2.64円/kWh | 2.90円/kWh | 2.95円/kWh | 2.98円/kWh | 3.36円/kWh |
再エネ賦課金は表のように、年々単価が上がり続けています。
経済産業省の予想によると、単価は今後も上がり続け、2030年度には最大4.1円/kWhになると推計されているようです。
2030年度の再エネ賦課金単価4.1円/kWhの場合
では、仮に再エネ賦課金単価が4.1円/kWhになった場合の一般家庭の負担額を計算してみましょう。
先ほども用いた標準的な3人家族の電気使用量(370kWh/月)で計算すると、
370kWh × 4.1円 = 1,517円
一か月につき1,517円の再エネ賦課金を負担することになります。一年間では18,204円です。
2021年度と比較して、年間3,000円以上負担額が増えるという計算結果になりました。
オール電化住宅なら負担額は大きくなる?
オール電化の場合は給湯や暖房などもすべて電気で動かすため、必然的に電気の使用量が多くなります。
九州電力のモデルによると、オール電化住宅の電気使用量は「610kWh/月」となっています。
今回はこちらを用いて計算してみましょう。
・2021年度の再エネ賦課金(3.36円/kWh)
610kWh × 3.36円 = 2,049円
・2030年度の再エネ賦課金予想単価(4.1円/kWh)
610kWh × 4.1円 = 2,501円
オール電化の場合は電気の使用量が多くなることに比例して、再エネ賦課金の負担も大きくなっています。
2021年度の再エネ賦課金(3.36円/kWh)で一般家庭の負担額と比較すると、月々806円、年間で9,670円も多く再エネ賦課金を支払っていることになります。
2030年度の再エネ賦課金予想単価(4.1円/kWh)ではさらに差が広がり、月々984円、年間11,808円も負担額が大きくなります。
負担額の差を表にまとめてみました。
オール電化の場合、2030年度は年間30,000円以上もの再エネ賦課金を支払うことになる可能性が生じています。
2021年度 3.36円/kWh | 2030年度 4.1円/kWh(予想) | |
標準家庭(370kWh/月) | 月額1,243円 年額14,918円 | 月額1,517円 年額18,204円 |
オール電化(610kWh/月) | 月額2,049円 年額24,588円 | 月額2,501円 年額30,012円 |
金額差 | 月額+806円 年額+9,670円 | 月額+984円 年額+11,808円 |
再エネ賦課金を減らすためには?
電気を使えば使うほど賦課金がかかるので、電力会社から購入する電気を減らすことが必要です。
そのためには大きく3つの方法があります。
1つ目は、節電を意識して生活をすることです。
テレビや照明のつけっ放しをしないようにしたり、省エネ家電を使うことで消費電力の削減ができます。
2つ目は、電気に頼りすぎない機器選びをすることです。
特に、暖房機や給湯器などは電気の消費量が多い機器のため、ガスや灯油の機器にするだけで再エネ賦課金の負担をかなり抑えることができます。
3つ目は、太陽光発電や燃料電池を使って自家発電をする方法です。
家庭で使用する電気を自家発電分でまかなうことで、購入電力を大きく抑えることができます。
まとめ
再エネ賦課金は、電力会社が再生可能エネルギーで発電した電気を買い取る費用を全体で負担する仕組み。
再エネ賦課金の単価は今後もしばらく上昇が予想される。
電気の使用量が多いほど負担額が大きくなる。
負担額を減らすためには、「節電」「使用エネルギーの分散」「自家発電」により購入電力量を減らす必要がある。
今回は再エネ賦課金の概要や仕組みについて説明しました。
普段の生活ではなかなか見えにくいお金ですが、思ったよりも大きい金額だと思った方も少なくないと思います。
今回の内容が光熱費の削減を考える上で参考になれば幸いです。